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      西川緑道公園活性化プロジェクト
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      西川アゴラニュースレターVol.35:未来予想図

      2017/11/27 11:48Send to FacebookTweet ThisShare on Google+ | by  山田 晶子
       建築や都市計画の手ほどきを受けた人であれば、地図上に絵を描きながら「ここを広場にしよう、ここは古着屋さんが集まるゾーンで、イベントが行われる・・・」などと話しをすることができる。しかし、図で表現することは普通の人には難しい。そこで、計画の素人たる一般市民が将来のまちをイメージし表現する方法として「シーン・ライティング(SW)」を採り入れ、岡山市中心部の「県庁通り界隈」のまちづくりを考えるワークショップを開催した(11月20日、西川アゴラ)。
       SWは、以下のように、架空の主人公のまちなかでの一場面を作文するものである。ワークショップでは、様々な人が作った作品を回し読みし、そこにどのような要素が描かれているのかを話し合い、整備にあたってハード、ソフト両面で必要なことを確認した。



      作品1「路地」
       バスセンターの階段の踊り場の鏡の前で、小さな男の子を連れた若いお母さんが、今日のオシャレのデキをチェックしている。カンペキにキメて、スマホのメールをチェックし、口を結んでウンと一つ気合を入れる。男の子が真似して、ウンと気合を入れる。いい瞬間だ。見ているこちらも、街と同化した気分になってくる。
       二人は、県庁通りをイオンに向かって歩き、いつもの角から路地に入り、新しくできた「手作り工房ビル」に向かう。ここは、靴、鞄、宝飾品などの若い作家がアトリエを構え、作品を作りながら、販売も行っている。また、教室も開催していて、受講者それぞれがデザインしたオリジナル作品が完成するまで指導してくれる。
       母親は、子どもの靴を作るためにもう4ケ月通っている。靴が完成したら、小学校の入学祝いとして、この子にプレゼントするつもりだ。


      作品2「岡山ワイン」
       水都(みなと/32才)は、まだ若いが、新しく県庁通りにできたホテルの飲食部門の責任者だ。
       水都は、大学を卒業し、東京の食品関係の会社に就職してすぐにヨーロッパ支社に配属され、ワインや農産加工品を輸入する仕事をしていたが、3年前、ホテルの開業に向けてレストランを任せることができる若手の募集があったとき、思い切って転職を果たした。29歳、スイス人の旦那を説得してのことだった。
       水都は、レストランのコンセプトづくりにゼロから関り、自分の思い通りの店をつくることができた。なんと言っても目玉は、岡山のワインを提供することだ。地元のブドウを原料に、地元の実業家が創ったワイナリーで作られたワインは、今では欧州のそれと肩を並べるまでに品質が高まっている。市民の舌も肥えてきた。ワインを楽しむ生活文化も本物になってきた。一方で、市民の、地産地消の目も厳しくなった、と水都は感じている。“正直に地産地消をやっても”そうした市民・お客様を満足させられるだけのメニューを提供できるように、有機・無農薬栽培をする生産者との結び付きを強めていかねばならない。岡山のこの場所で新しいレストランを経営するということは、そうした生産者との共存共栄の仕組みをつくるということなのだ。水都は、そのことを欧州で学んだ。
       今、レストランの厨房では十代の若者が多く働いている。彼・彼女らは「農家が正直に育てたジャガイモの皮を剥くことが誇りなのだ」と言う。どこかのチェーン店の厨房で冷凍食材を解凍するのとは、働く意味が違うらしい。水都を支える頼もしい若者たちだ。
      【前田 記】